- Date: Sat 17 09, 2016
- Category: 小池博史マハーバーラタ【記録】
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マハーバーラタ公演の総括③
↑タイ・バンコクにあるチュラロンコン大学シアターでの公演時に貼られたチラシ
僕にとって海外公演でタイに行けることは特別な思い入れがありました。
タイ北部ランナー地方の芸能を現地で身につけてから日本で紹介する活動をしてきた僕が、その技術と身体性をもって出演する日本の作品でタイの人々に楽しんでもらうということは、師匠の言った「良い文化は国を越えて伝わっていく」という実践が〈タイ→日本、日本→タイ〉に還ったような気もしました。
タイ人の学生で超満員の劇場。ネタでは大笑いの渦が起きました。
この物語を皆知ってるのもそうですが、日本人と観劇の楽しみ方が違くて面白かった。
中国上海ではアートフェスで上演。
ここでは、しーんと見入る感じで日本人に近い印象を受ける。
メガネーズ。笑
タイの熱帯から急にマイナス3度まで気温が下がり、この時一気に体調を崩した。。
フィリピンでは有名な老舗劇場のペタ・シアターで上演。
熱意ある劇場スタッフさん方、熱気溢れる満員の観客が素晴らしかった。
終演後はロビーでお客様たちによる記念撮影の嵐でこれも貴重な体験でした(笑)
ちなみにこの公演のゲネ前が体調最悪でダウンしました。。。
〜小池博史氏の創作現場を体験して〜
元パパ・タラフマラという団体で演出総監督をされていた小池さん。
オーディション合格(仮)の報せを受けた後、過去の作品群のDVD短編集を頂戴しました。
僕は普段コンテンポラリーダンス作品を見るのは苦手なのですが、舞台映像の1つ1つがセット〜演出すべて大がかりで出演者の身体演技もポテンシャルが高く驚く。
また短い映像ながらメッセージ性が強くて「わ〜こういう作品に参加するんだ…大丈夫かな」と期待と不安でドキドキしました。
脚本を読んでもビックリ。
芝居かと思いきやほとんど台詞なし。
雰囲気はひしひし伝わってくるものの絵的に想像つかなかったけど、前年にインドで公演された映像を見て納得…確かに脚本の通りでした。
話は飛び、東京公演が終演した後の打ち上げで小池さんが「作品というのは思想、哲学だ。それがなければ言葉は力を持たない」と話してくださり金言だなぁと感じました。
そして、創作現場を共にして抱いた小池さんへの印象もそのまま、言動から生き方まで「思想的で哲学者みたいな人」でした。(ただし下品な発言や暴言の振れ幅も凄く、そこがまた面白い)
細やかな演出で、数センチ単位の立ち位置にこだわり、それがそのままシーンの迫力や情感へと変わっていく。
それが段々実感できるようになってくると、小池さんが世界中で作品を上演してきた凄腕の演出家というのも納得。
世界中に彼の作品に出演したい人々がいて、今回は不思議なご縁で僕が出演させて頂けたのは本当に幸運なことでした。
稽古はおそらく高確率で僕(カルナ、クリシュナ) と吉澤くん(ドリタラーシュトラ)が演出&檄を受けていたかと思います。↓およそ、この図のとおり笑
おかげで役としての居方から、動作の印象までガラリと変化することができました。
きっとそれは元々自分が持っていた資質なんだろうけど、自分で出そうとしても出せなかった部分を小池さんに引き出していただけたように感じます。
諦めず、飽きず、甘やかさず、厳しく(しつこく笑)言い続けてくださった賜物です。
「妥協はしない」といっても小池さんの中では最低限せざるを得ない事柄もあるのでしょうが、基本「絶対しない!」その姿勢にプロフェッショナルを感じました。
(それくらい常人レベルではない…いい意味で)
小池博史ブリッジプロジェクトのマハーバーラタシリーズは「世界の調和」を投げかけていて、今の時代に重要なキーワードだと思います。
この作品を通してそれを訴える1つの役割を頂けたことに感謝しかありません。
ある意味、演劇ダンス界に疎い僕は場違い感もあったと思いますが、時代を駆け続ける小池さんの演出力に触れ、ジャンル、技術、身体性や能力etc…いつの間にか自分で築いていた制約に気づき「そんなものぶっ壊していいんだ!!!」と思えたのは目からウロコな体験で大きな収穫でした。
〜小池さんによる僕のFacebook紹介文を引用〜
「土屋悠太郎!タイランナー地方の舞踊を基礎としている。
今回の稽古で大きく変化した。さらに才能を伸ばしていけるだろう。これからがとても楽しみ。」
『もっと成長できる』未開の可能性を知れたこと、本当にありがとうございました!
現在インドネシアで制作中の第3部大変気になっており、息子と観劇に行く準備中。
面白いに違いない!要チェックです。http://kikh.com/mahabharata3/jp/
それではこの辺で。
(次回が最後の総括予定です)