土屋悠太郎 ~タイ・ランナー舞踊の名刺web~

バンコク在住。タイ北部ランナー地方の芸能を継承する子連れタイ舞踊家のブログ

 
3
5
6
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
11


モンコン師匠に授かった教えをもとに

師匠モンコン・シエンチャーリー先生のお宅での修行の日々について書きます。
ここはタイにおける我が家であり、12年前の学生時代から思い出がいっぱい詰まった場所です。
IMG_7056_convert_20140216091430.jpg
来るたびに変化のある師匠宅。変わらないのはハンドメイドの太鼓が所狭しと並べられている所。
僕は祭壇のある部屋で寝起きします。毎朝6時頃に起床し、新しい知識や技術の練習をしました。
IMG_7042_convert_20140216080518.jpg
師匠の長男ガンさんの娘ニッちゃんを囲み、温かい時間をたくさん過ごしました。
僕の息子と3カ月差なので日本にいる我が子を思って胸がキュンキュンすることしばしば(笑)
IMG_7185_convert_20140216090645.jpg IMG_7182_convert_20140216090612.jpg
左:次男エムくんも今では学校の先生。彼とはとても気が合い、お互い不慣れなタイ語・英語で深い話を語り合いました。
右:人間国宝パン先生。師匠モンコン・ファミリーはパン先生の流れを汲む正統なランナー文化の伝承者です。
IMG_7061_convert_20140216092110.jpg IMG_7067_convert_20140216080843.jpg
新築中の家を見回るため、師匠に付いて毎朝自転車で移動。
日本に「師匠」のいない僕にはこうして背中を追いかけるのは幸せな瞬間でもありました。
IMG_7097_convert_20140216093449.jpg
お宅から建築現場まで木の植え替えを手伝いました。土を掘り、根っこから掘り出して運ぶ重労働。
こういう時に楽しめるのは農業経験があってこそ!経験は今に繋がってくるものだと妙に実感。
IMG_7109_convert_20140216081118.jpg IMG_7170_convert_20140216085225.jpg
作業を通しての話題や思い出したように授かる教えもあり、共に過ごす時間と体験は何物にも代えがたいもの。時間の切り売りでは決して教わることのできない貴重な学びがここにあります。
IMG_7137_convert_20140216085159.jpg IMG_7093_convert_20140216085140.jpg
↑師匠宅の木に生えた木の実「マッ」。固い繊維を食いちぎって噛み続け、黄色い汁の唾は吐き出します。古代のランナー人はこれで歯磨きをしつつ顎を鍛えたそうです。自分の学ぶ芸能の先人が口にしたならば、と張り切って噛み続けました。酸っぱい!
また、息抜きに馴染みの雑貨屋に遊びに行き、楽器の選び方を学んだり、お昼寝したり買い物したりもしました。
IMG_7160_convert_20140216081238.jpg IMG_7165_convert_20140216081252.jpg
今回、師匠は生きる上で大事なことについてよく語ってくれました。「空気、食べ物、気持ちが満たされないと幸せは得られない」そんなお話を聞いて、有機農業研修中に感じていたことや東京で夢を追って活動していた時期のことなどを思い出し、本当にそうだと思いました。芸能習得だけでなく、人生をどう生きたいか?をこの自然を見つめながら古代の教えに身を預けて考えました。
IMG_7260_convert_20140216081740.jpg IMG_7203_convert_20140216081515.jpg
毎日少しずつ建築作業が進んでいく家の基礎工事。「家作りと同じで何事も1ステップずつ、やるべきことをするのが大事だ」と基礎の大切さを話してくれます。僕の太鼓の新調作業でもその教えは繰り返し伝えられました。
IMG_7172_convert_20140216083711.jpg
出会って12年。師匠は僕にとって先生であり、父であり、親友であり、バディであり、色んな存在となって教え導いてくれます。先日のニックさんの問い「お前は何者か」という答えは、やはり「モンコン・ファミリー」だと確信しました。僕の信じる芸能をこれからも1番大事に継承し、日本でも伝えていきたいと思います。また、僕の息子にも遊び相手となって教えてやり、いつかモンコン師匠に彼を教えてもらえたらいいなと夢見ています。
IMG_7125_convert_20140216081148.jpg
朝焼けの田園風景を一緒に眺めながら師匠が言いました。「いいか、ユータロー。俺たちは教科書で物事を教えるわけじゃない。芸能、文化、芸術で人の生き方を教えるんだ。自然が芸術で、芸術は自然に根差す。俺たちも自然に即して生きていけばいい」まだ優しい光線を放つ太陽を見つめ、師匠の言葉を胸に刻みました。

帰国日のフライト直前まで教えを授けてくれた師匠。僕は息子と2~3年は育児込みで向き合って暮らすため、しばらく会えません。それを分かっているからか、見えなくなるまでガッツだぜ!というポーズをして見せてくれていました。僕もランナー芸能を通して授かった教えを生き方に反映し、これからを過ごしていきます。ありがとうございました。
Po kruu Mongkol, khop khun maak krap !
スポンサーサイト


Comments

Leave a Comment


Body

プロフィール

土屋悠太郎

Author:土屋悠太郎
◆タイ舞踊家-タイ北部ランナー文化継承-
【ランナー舞踊フォンジューン/剣舞フォンダープ/太鼓演舞グロンサバチャイ、チャイヤモンコン/テーワキンカラ―/ティンボン、モンスーン、チャープ演奏ほか】
タイネーム:Siri Mongkol Skana


1981生、神奈川県出身。京都精華大学卒業。
2002年、タイ・チェンマイに留学した際にPo kruu Mongkol(モンコン師匠)、kruu Peerawat Shiengcharee(ガン先生)に出会い、師事する。
北部タイ・ランナー地方の伝統舞踊フォンジューン、剣舞フォンダープを習得。人間国宝kruu Pan(パン先生)にも指導を受け、現地で多くのショーに出演し、経験を積む。
帰国後、タイフェスティバルやタイ王国総領事館主催パーティー招聘出演など日本国内のショー多数。

大学卒業後、三重県伊賀市で1年間の有機農業研修に従事。田畑を耕し、過疎地域に若者を招いて盛り上げる。その後、東京での俳優活動を経て、障がい者や高齢者と関わる仕事に携わる。利用者さんとの交流を通し、タイ芸能の「人を明るく元気にする力」を確信。2009年以降、毎年タイに渡り修行する。
2012年、師匠からSiri Mongkol Skanaという名前を授かる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2009年4月~6月渡タイ
kruu Saran Suwannachot(ニック先生)、人間国宝のkruu Kam(カム先生)に剣舞フォンダープをご指導いただく。モンコン師匠と7年ぶりの再会を果たす。

2010年4月~5月渡タイ
モンコン師匠のもと2ヶ月間の住み込み修行。ランナー芸能を幅広く学ぶ。太鼓作りの技法も学び、自作のサバチャイ太鼓とモンスーン太鼓を持ち帰る。

2011年3月、仙台在住時に東日本大震災発生。災害ボランティア活動に専念したのち、表現による支援活動を続ける。

2012年4月渡タイ
自身の誕生日に行った儀式ワイクルーにて「Siri Mongkol Skana」のタイネームを師匠より授かる。

2013年、初めての子どもを迎える。

2014年1月渡タイ
モンコン師匠宅で修行。kruu(先生)としての教えを受ける。ワイクルーを行うための特別なpapikaneet(象の顔をした表現の神)像を拝受。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     
     
◆タイ芸能集団アロム・ランナー 主宰
タイで習得した芸能をもとに日本で喜ばれる表現方法を研究、実践する表現集団。タイ芸能ショー、異文化体験ワークショップの他、ハイブリッド紙芝居「とびだす紙芝居!タイのむかしばなし」では芝居、舞踊、楽器演奏をミックスした新しい表現スタイルの作品を上演。タイを身近に感じてもらえるプログラムが好評。(文化庁芸術家派遣事業プログラムとして2012年以降、実施)団体名は、ランナー地方の芸能の魅力が伝わるショーを目指し「ランナー気分」という意。

◆Art Revival Connection TOHOKU(ARC>T)
2011年3月11日の東日本大震災後、東北の舞台人が集まりジャンルを超えて結成した団体。4月設立当初から参加。文化を通して東北の復興を応援する取り組みにタイ芸能を活かした活動を行う。

◆夢トラック劇団~結~
NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが震災直後に主催したプロジェクト。4tトラックの荷台を舞台に、津波で被災した沿岸地域の子どもたちに芝居を届ける。
2011.4/29-5/5岩手~宮城(釜石・山田町・陸前高田・名取・東松島・石巻)全6ステージ。

◆TheatreGroup”OCT/PASS”
Vol.33“Play Kenji”♯6東日本大震災魂鎮め公演『人や銀河や修羅や海胆は』賛助出演。
2011.7/9-7/30宮城県内(大河原えずこホール・仙台錦町公園・瀧澤寺・秋保・古川)全8ステージ。
東北が誇る劇作・演出家、石川裕人を代表とする劇団。前身はアングラ劇団十月劇場。夢トラック出演時、裕人さんに誘われ震災後初の劇団公演参加。

◆絆支援員ワークショップ講師。仮設住宅を巡回する支援員のコミュニケーションワークショップを実施。

◆文化庁 H23-27年度「次代を担う子どもの文化芸術体験事業」[東日本大震災復興支援対応]でさまざまなタイ芸能プログラムを実施。仙台市内・宮城県域の幼児~小学生にショーを届ける。

◆お芝居デリバリーまりまり
さまざまな場所にお芝居を届ける東京の俳優集団。タイの芸能を活かした取り組みも行う。『2009-10福祉職就労支援事業(厚労省委託事業)』『2011-12日本→ブラジルお芝居出前プロジェクト(静岡文化芸術大学・国際交流基金)』浜松公演~2012.8/6-23ブラジルツアー参加。

◆杜の都の演劇祭2012『深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール』プログラムディレクター。タイ芸能ショー含む構成、演出、出演。2013年2月1日(金)-3日(日)全6ステージ@タイ料理店サバイサバイ

FC2カウンター