土屋悠太郎 ~タイ・ランナー舞踊の名刺web~

バンコク在住。タイ北部ランナー地方の芸能を継承する子連れタイ舞踊家のブログ

 
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マハーバーラタ公演の総括②

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稽古が始まってからは毎朝保育園に息子を預けに行きました。
電車も混んでいる時間帯なので1駅分ベビーカーを押して連れて行くのはけっこうしんどい。

別れ際に大泣きする息子には毎朝申し訳ない気持ちになる。
「こんな思いをさせてまで参加するのだから中途半端な舞台にはできないぞ!」

そう毎日自分を奮い立たせて稽古場に向かっていました。笑

この公演に参加する前は〈子連れ表現ユニット種まきおむすび〉という活動をしていて「育児中でも自分の好きなことを工夫して続ける大事さ」を実感してきただけに、その辺の可能性も探りたかった。
本気で舞台活動に取り組むには身の回りの価値は諦めなければ出来ないのだろうか?
(今のところの答えも総括記事の中で書けたらと思います)

また、昔憧れたプロフェッショナルな大舞台に立つことに対して「自分はどこまで出来るか?」という不安と「なんぼのもんじゃい」が少々(笑)

というのも、実は僕は俳優を志した時代があり、世間の評価や名声、知名度といったものに振り回されて自分の価値観や核がズレて歪んでいく恐さを身をもって知ったので、そんな業界とは距離を置き、毒された人々とは意識的に離れて過ごしてきました。
だからどこかでそういう世界に生きる人たちを信頼してないというか鼻白む所があった。
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前述の小谷野さんを心底カッコいいと思ったのは、尊敬できる凄い芸能者であることはもちろんのこと、偽りない「自然な人間性」に寄るところも大きい。

バリの芸能を通して自分の大事に向かって生きる小谷野さんのパワフルな生き方は、これまでの表現活動〜タイ芸能を通してそれを目指し生きてきた僕の根っこと重なり大変共感します。
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芸能にしても、人と接するにしても、根本的に大事な部分と向き合わず、または気づかずに表現や仕事を頑張ってる人もいるけれど、そのままだと結局その人が初めに求めた「大事にしたかった何か」は積み上がっていかないのではないかと体験を通して思います。


〜稽古に参加して〜

そんなこんなで始まったマハーバーラタ稽古では度肝を抜かれることばかりでした。
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ここに集った表現者たちは皆、生き方として表現に生き、人生で選んだmyスタイルに誇りを持ち、自らの身体と動きを真に愛している人たちでした。
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スノン・ワラカーンさん(タイ)、白井さち子さん
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リー・スイキョンさん(マレーシア)
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松島誠さん、あらた真生さん(後ろは演出助手の松縄春香さん)
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小谷野哲郎さん
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谷口界くん、吉澤慎吾くん

彼らと創作活動を共にしていると、信頼し、尊敬し、人柄に惹かれ、憧れ、好きになる。
そんな本物の魅力を持つパフォーマー=人間とはなかなか出会えません。

小谷野さん級にカッコいい先輩方と仕事として創作に関わる幸せといったら、今までに味わったことのない楽しさ、喜び、興奮、快感でした。
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また、側にいるだけでこちらの身体性が変わる&引き出される感覚があることの驚き。
タイで師匠と共にいる時はきっとこの状態なのだろうけど、自覚したのは初めての経験。

そしてなにより皆さんチャーミングです!!
「愛嬌さえあればなんとか生きていけるぞ」といつか息子に力説したいと思っていますが、人間味、人としての愛らしさは何事にも現れてしまうもの。

そんな個性的でとっておきのチャーミングさを併せ持つ、身体能力も技術も意識も魂もプロフェッショナルな皆さんと同じ舞台に立てる時間は至福以外の何物でもありませんでした。



…と、そんなことに気がついたのは稽古も終盤になってからのこと。
それまではヒーヒー言いながら必死に振り付けを覚え、まともな動きになるよう努力努力。

映像を見て前作の振り付けをコピーするのも初めてなら、仮面をつけて演技するのも初めて尽くし。
当然、小池さんの檄も浴びるほど頂戴しました(苦笑)
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ともあれこの公演に賭ける思いは個人的に深く強いものがあったので、なんのその頑張れました。
諸先輩方、若手メンバー、スタッフさんにたくさん助けて頂いたことに心から感謝しています。

そんなこんなで海外公演へと旅立ちます。
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今回も長くなったのでこの辺で。

つづく。

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プロフィール

土屋悠太郎

Author:土屋悠太郎
◆タイ舞踊家-タイ北部ランナー文化継承-
【ランナー舞踊フォンジューン/剣舞フォンダープ/太鼓演舞グロンサバチャイ、チャイヤモンコン/テーワキンカラ―/ティンボン、モンスーン、チャープ演奏ほか】
タイネーム:Siri Mongkol Skana


1981生、神奈川県出身。京都精華大学卒業。
2002年、タイ・チェンマイに留学した際にPo kruu Mongkol(モンコン師匠)、kruu Peerawat Shiengcharee(ガン先生)に出会い、師事する。
北部タイ・ランナー地方の伝統舞踊フォンジューン、剣舞フォンダープを習得。人間国宝kruu Pan(パン先生)にも指導を受け、現地で多くのショーに出演し、経験を積む。
帰国後、タイフェスティバルやタイ王国総領事館主催パーティー招聘出演など日本国内のショー多数。

大学卒業後、三重県伊賀市で1年間の有機農業研修に従事。田畑を耕し、過疎地域に若者を招いて盛り上げる。その後、東京での俳優活動を経て、障がい者や高齢者と関わる仕事に携わる。利用者さんとの交流を通し、タイ芸能の「人を明るく元気にする力」を確信。2009年以降、毎年タイに渡り修行する。
2012年、師匠からSiri Mongkol Skanaという名前を授かる。

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2009年4月~6月渡タイ
kruu Saran Suwannachot(ニック先生)、人間国宝のkruu Kam(カム先生)に剣舞フォンダープをご指導いただく。モンコン師匠と7年ぶりの再会を果たす。

2010年4月~5月渡タイ
モンコン師匠のもと2ヶ月間の住み込み修行。ランナー芸能を幅広く学ぶ。太鼓作りの技法も学び、自作のサバチャイ太鼓とモンスーン太鼓を持ち帰る。

2011年3月、仙台在住時に東日本大震災発生。災害ボランティア活動に専念したのち、表現による支援活動を続ける。

2012年4月渡タイ
自身の誕生日に行った儀式ワイクルーにて「Siri Mongkol Skana」のタイネームを師匠より授かる。

2013年、初めての子どもを迎える。

2014年1月渡タイ
モンコン師匠宅で修行。kruu(先生)としての教えを受ける。ワイクルーを行うための特別なpapikaneet(象の顔をした表現の神)像を拝受。

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◆タイ芸能集団アロム・ランナー 主宰
タイで習得した芸能をもとに日本で喜ばれる表現方法を研究、実践する表現集団。タイ芸能ショー、異文化体験ワークショップの他、ハイブリッド紙芝居「とびだす紙芝居!タイのむかしばなし」では芝居、舞踊、楽器演奏をミックスした新しい表現スタイルの作品を上演。タイを身近に感じてもらえるプログラムが好評。(文化庁芸術家派遣事業プログラムとして2012年以降、実施)団体名は、ランナー地方の芸能の魅力が伝わるショーを目指し「ランナー気分」という意。

◆Art Revival Connection TOHOKU(ARC>T)
2011年3月11日の東日本大震災後、東北の舞台人が集まりジャンルを超えて結成した団体。4月設立当初から参加。文化を通して東北の復興を応援する取り組みにタイ芸能を活かした活動を行う。

◆夢トラック劇団~結~
NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが震災直後に主催したプロジェクト。4tトラックの荷台を舞台に、津波で被災した沿岸地域の子どもたちに芝居を届ける。
2011.4/29-5/5岩手~宮城(釜石・山田町・陸前高田・名取・東松島・石巻)全6ステージ。

◆TheatreGroup”OCT/PASS”
Vol.33“Play Kenji”♯6東日本大震災魂鎮め公演『人や銀河や修羅や海胆は』賛助出演。
2011.7/9-7/30宮城県内(大河原えずこホール・仙台錦町公園・瀧澤寺・秋保・古川)全8ステージ。
東北が誇る劇作・演出家、石川裕人を代表とする劇団。前身はアングラ劇団十月劇場。夢トラック出演時、裕人さんに誘われ震災後初の劇団公演参加。

◆絆支援員ワークショップ講師。仮設住宅を巡回する支援員のコミュニケーションワークショップを実施。

◆文化庁 H23-27年度「次代を担う子どもの文化芸術体験事業」[東日本大震災復興支援対応]でさまざまなタイ芸能プログラムを実施。仙台市内・宮城県域の幼児~小学生にショーを届ける。

◆お芝居デリバリーまりまり
さまざまな場所にお芝居を届ける東京の俳優集団。タイの芸能を活かした取り組みも行う。『2009-10福祉職就労支援事業(厚労省委託事業)』『2011-12日本→ブラジルお芝居出前プロジェクト(静岡文化芸術大学・国際交流基金)』浜松公演~2012.8/6-23ブラジルツアー参加。

◆杜の都の演劇祭2012『深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール』プログラムディレクター。タイ芸能ショー含む構成、演出、出演。2013年2月1日(金)-3日(日)全6ステージ@タイ料理店サバイサバイ

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